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スズメバチの巣は放置してはいけません。
ハチ刺されによる死亡事故は年間20人前後あり、スズメバチの刺害による死亡例は熊害や毒蛇の咬害によるそれを上回ります。
愛媛県大洲市で2017年、車いすの女性がスズメバチの群れにおよそ50分間にわたり襲われ、死亡するという痛ましい事故が起きました。
現場は山あいに集落が点在する地域で、菊地さん宅近くの空き家の軒下でスズメバチの巣が発見されています。巣を見つけたらすぐにその場を離れ、行政や業者に連絡してください。
スズメバチ科について
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スズメバチ科はハチの中でも比較的大型の種が多く、性質はおおむね攻撃性が高い。1匹の女王蜂を中心とした大きな社会を形成し、その防衛のために大型動物をも襲撃する。また巣を守るために凶暴かつ好戦的で積極的に刺してくることも多いことで知られています。
しかし、スズメバチにも多くの種類があることはあまり知られていません。では大まかな種類についてみていきましょう。
スズメバチ図鑑
オオスズメバチの巣
【危険度】★★★★★
【活動期】5~11月
【大きさ】27~50㎜
【生息域】平地、低山地
スズメバチ類の中で最も大型のハチ(世界最大)刺された時の痛みや腫れは、ハチの中でも最も激しい。毒性も極めて強いため、死亡者数が多いハチです。(死因の多くは、複数回刺されることで起きる、アレルギー反応)
餌をめぐって、多種のハチと戦うこともあり、攻撃時は、顎をカチカチ鳴らして針を何度も突き刺す。非常に獰猛で攻撃性が強い上、土中や樹洞などの閉鎖空間に営巣するため、巣の存在に気付かずに接近して攻撃を受けることが多い。秋には凶暴性が増すので注意が必要。
【危険度】★★★★★
【活動期】5~11月
【大きさ】27~50㎜
【生息域】平地、低山地
刺された時の痛みや腫れは、ハチの中でも最も激しい。多数のハチに刺された場合、死に至ることもある。
巣は土の中に作ることが多い。餌をめぐって、多種のハチと戦う。攻撃時は、顎をカチカチ鳴らして針を何度も突き刺す。
キイロスズメバチの巣
【危険度】★★★★★
【活動期】5~11月
【大きさ】17~28㎜
【生息域】国内全域、都市部にも発生
日本のスズメバチの中で最も小型のハチだがオオスズメバチと同等に危険なハチ。
気性が荒く、刺された場合、死に至ることもある。
都会で増えていて、刺傷被害が最も多いハチと言われています。巣が引っ越し中の場合、何度も同じ場所に巣を作り直す。営巣は、屋根裏や床下などの閉鎖的な空間が多い。巣は大きなボール状になることもある。見える所に営巣する種の中では、巣の大きさが最大になる。
ヒメスズメバチの巣
【危険度】★★★★
【活動期】5~9月
【大きさ】24~37㎜
【生息域】平地、低山地
ヒメスズメバチは、オオスズメバチの次に大きなスズメバチで、24mmから37mmにもなります。腹部の部分が黒く、比較的簡単にその他のスズメバチと区別する事が出来きます。ヒメスズメバチはアシナガバチのみ捕獲し、これを幼虫の餌とします。そのため、アシナガバチの生活史に密着・依存した状態で生活しており、その他のスズメバチに比べ、生活史が短い傾向にあります。
巣を刺激してしまうと、威嚇行動をとります。人の回りを「カチカチ」という警戒音を出しながら、飛び回ります。
気になるスズメバチまめ知識
蜂のなかでも攻撃性を持つのは社会を構築する蜂類です。一部が犠牲になってもコロニーを守ることが重要となります。
アシナガバチ、ミツバチ、スズメバチなどは、直接手でつかんだりしてその個体に危害を加えなくてもコロニーに対して刺激があるとそのきっかけを境に反撃に転じます。
私たちがスズメバチとの付き合い方を知らない上に、近年スズメバチの生活圏が都市に進出しているのが現状です。
そのため毎年スズメバチの活動シーズンになると、遠足に出かけた小学生などの集団が襲われる事故が多発し、メディアでの扱いも大きくなりました。
そこでスズメバチが攻撃に至るメカニズムがどうなっているか見ていきましょう。
スズメバチはコロニーの発展の手段として多くの働きバチを産出していくことで遺伝子を残そうとします。そして数が多だけでなくコロニーとしての統一性を重要視し城のような巣を作り、毒針と大あごを武器に守ります。
これによりアシナガバチの10倍のコロニー規模になり、その活動期間も6か月を延長することが可能になりました。
しかし、ミツバチのようにハチミツを保存し年中コロニーを維持することに比べると、スズメバチは昆虫類を餌にするため、どうしても1年周期とした生活サイクルをとらざるをえないのです。
こうした背景から次世代の女王蜂を多く育てる必要性に迫られ、その戦略として強力な兵隊とコロニーが作られました。
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